LastShot【Rebellion】

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もう半年以上前になるか、当時の俺は苦悩していた。 協会の闇に反旗を翻さんと密かに画策していた俺は、大きな壁にぶち当たった。 ターセルに目を付けられてからというもの、裏仕事の片棒を担がされるようになり、開け広げになってからは様々な発明を俺に披露した。 その中でも特に目を惹いたのが【人造竜】と名付けられた決戦兵器。 コイツは本当によく出来た代物で、間違いなく鬼才と謳われるターセルの発明でも傑作と呼ばれ、世に出れば喝采を博することだろう。 だが、それは同時に、あの怪物が生んだ化物との戦闘が避けられないことを予期していた。 大型魔獣に引けを取らない巨躯にありながら、理論上は信じられないほど機敏に動くという。 砲撃はあのドラゴンブレスに匹敵する火力を持ちながら、誰でも容易に扱うことが可能。 …しかし、俺が最も頭を悩ませていたのが、希少鉱石をふんだんに使用したその装甲。 あらゆる魔法を無力化し、既に実用段階にあるとターセルは言っていた。 まだ全体の進捗から50%も完成してないとはいえ、現時点で主たる攻撃を奪われた俺に勝ち目は無い。 一人ではこの辺りが限界だった… 俺はある人物に連絡を取ることに決めた--
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