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「あの、今更なんですが…本当に俺なんかに協力して平気なんですか?」
手前勝手な事は重々承知しているつもりだ。
だが、それでも、どうしてフィリップさんは俺に協力してくれる気になったのか、それが知りたかった。
「大丈夫…なんて、ターセル相手に軽々しくは言えないね」
フィリップさんは苦々しく笑いながら、認めた紹介状を俺に差し出す。
「…そうだね、キミも腹の内を見せてくれたんだ。僕も企みを明かすとしようか」
友好的で穏やかな顔から一転、フィリップさんの眼光が鋭くなった。
怒りを露にしたようにも見えるその表情からは、真剣さがひしひし伝わってくる。
「ターセルの下で動いているなら、ゴルテア陸商は知っているね」
…あぁ、よく知ってる。
人身から麻薬の原料、非人道的兵器まで、その名を隠れ蓑にして実に様々な物を運んできたからな…
いや、もっと護衛部らしく、護ってきたというべきか。
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