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遠い。
あれから変わらずにハンターの正道を歩いてきたこいつと、ターセルの懐に入る為に邪道に踏み込んだ俺とでは、遠すぎる。
気兼ねなく近付いて、肩を叩きながら馬鹿な話をすることはもう出来ない。
「悪いけど忙しいんだ。積もる話はまたいつかな」
白々しいな…と、自分でも思う。
口にした瞬間に直感したんだ。
だからこそ、本当の意味で覚悟が出来た気がする。
俺は、リーンに背中を向ける。
どうかこの背中を忘れないでくれ、お前に真実を打ち明けることが出来るのは、全てが終わった時だけだから…
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