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今朝もあの夢を見た。
夢の中で俺は大きめの壺を
両手の平に抱いている。
その壺の下の部分は丸みを帯びて
俺の広げた手の平に
ちょうどすっぽり収まっている。
上にいくほどすぼまっていて
水のしずくのかたちの
上の部分を切り取ったようにも
花のつぼみの先だけが
開いているようにも見える。
壺といっても磁器でも
陶器でもなく、
釉薬さえかかっていそうにない、
その割には滑らかな肌触りの
不思議で美しい土器だった。
夢の中で俺は愛おしそうに
それを撫でていく。
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