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「返事は?」
「付き合わねーよ。お前彼女が好きなんだろ? 振られたけど」
「彼女は好きだよ。でも千穂ちゃんはもっと好き」
「わ……!」
伸ばされた手が手首を掴み、そのまま押し倒されてしまった。――ベッドへと。
DVDは無事かと手を見れば、袋がない。やばいと「DVD……」と呟けば、「床に落ちた」と返ってくる。扱いがぞんざいだが、大丈夫だろうか。
「そんなことより、おれのこと慰めて」
「っ、やめろってば! 誰が慰めるかっ! 頭のネジ飛ばしてんじゃねーよ!」
コートを脱がしにかかる手を振り払おうとするが、「また痛いことになるよ?」という言葉に固まるしかない。
いつからこうなったのかはもう解らないが、ジンは女の子に振られたその日にオレを抱くようになった。慰めと称して。少し前なんて、後ろ手に縛られた上に狂ったようにガンガン突かれて死にかけた。恋人でもないのにキスマークだってつけてくるし、ジンがなにを考えているのかオレには解らん。
「――いい子」
「……いや、だ」
唇をペロペロ舐めるジンに「嫌だ」と吐き出せば、「そんなこと言っちゃダメだよ」と唇が重なった。すぐさま舌が口内を貪り、酸素を求めるのを契機に絡む舌が深くなる。
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