序章

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  朝、家を出て学校に行く。 月曜日の朝は、息抜きに、と茶道部部長の静流くんと茶道部顧問の倉本先生にお願いして、茶室の床の間を借りて形式張らない華を生けさせてもらってる。 僕の家は、所謂華道のお家元っていうやつで…見せるための華を生ける。 そんな、家でやる形式だらけの華とは違って…自由に、のびのびとさせてもらってるこの茶室の華は、本当に僕の息抜きだ。 そんなわけで、基本的に毎週月曜日には華を生けに茶室に寄ってから、教室に行く。 華の元気がない時は教えてもらって、たまに月曜日以外も代えに行くけど…うん、大抵は月曜日。 他の曜日は、すぐに教室に行って授業を受ける。 放課後は、部活で調理室に行って、料理やお菓子なんかを作って、その日の気分で運動部に差し入れしたりして、ほのぼのと過ごしてから帰宅。 家に帰ってからは、着物に着替えて母さんと一緒に華を生けたりして…互いに善し悪しの感想を言い合って、後はご飯を食べたりお風呂に入ったりしてまったりして一日が終了。 僕、華宮詩季(はなみやしき)の 平日は、日常は…こんな感じだったのに、 それが壊れて、騒がしい日常になったのは… 壊したのは、見覚えのある明るい外国人。 それは、僕の日常の中に突然やってきて、 僕の日常をかき乱してくれました。 「oh!ヤマトナデシコ!素晴らしいですー!」 …うん、第一声がコレはないよね…。 というか、僕…大和撫子じゃないし…。 早く目を覚まして下さい、お願いですから…。  
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