あらすじ

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 彼に初めて会ったのは高一の秋だった。 学校にも慣れ、 部活も、 一年生の活躍のチャンスがすごく増えてきて、 もう、 毎日張り切って、学校生活を送っていたわたしだった。 部活はバレー部。 背はそんなに高くないけれど、 運動神経は自信あるんだ。 夏の合宿だって、 外練習だって、 暑さなんか全然気にならない。 元気とスタミナが取り柄。 ある時、 わたしが、 部費の引き下ろしの申請用紙をもらいに、 生徒会執行部室に行った時のことだった。 「すみませーん。 部費の引き下ろしの申請用紙くださーい」 と言うと、 何人かの人が振り返って、 こちらを見た。 一人の人が 「ふあーい。 えっと、 なに部?」 と言いながら、 立ち上がり子引き出しを上から開け始め、 三段目ぐらいに入っていた用紙を取り出した。
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