第2章

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だから少女は 少年が実体のない存在なのだと 勘違いした。 そういうものだったのだ、と 信じ込んだ。 疑うことをしなかった。 なんせ、知らなかったのだから。 少年は少女の隣に腰を下ろした。 少女もつられて、腰を下ろした。 少年はいつかのように ゆっくりと話し始めた。 少年は出逢ったときと同じ話をした。 少女の住んでいた場所のこと 変わりゆく空のこと いつかほろびた時間のこと。 少年は一度たりとも 同じ話をしたことがなかったのに? そんなことは、今の少女にはどうでもよかった。 少女はいつかのように 何も言わず じっと聞き入っていた。 少年の声を聞いているだけで 少女は、幸せだった。
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