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ハルキくんのウチ…行っても良い?
雪乃が微笑んだ。
「よっしゃあ」
春樹は思わずガッツポーズで拳を握りしめた。
《もちろんさ》
春樹の指先が滑るように動いた。
嬉しい。
雪乃が、まさに雪の妖精の様な純真無垢な笑みで微笑みかける。
これだよ。これ~この瞬間を夢見て、春樹は頑張ってきたのだから。
今この瞬間、春樹だけに向けられたこの笑顔は、何よりの勝利の証だった。
ここまで来るのに、どれだけ多くの女のコと付き合って、一体幾ら金を使っただろう。
だが、この一瞬で全て報われた思いだった。
『篭内 雪乃(かごのうち ゆきの)』には、まだ誰も辿り着いていない。
これで、俺だけのモノになったのだ。
そう思うと、春樹は1LDKの部屋の中で、踊り出したい気持ちでいっぱいだった。
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