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「冬」
君が泪を落とす前に、雪が落ちました。
白いそれはとても冷たくて、僕は思わず、手を伸ばしました。
届く前にそれが運命かのように消えてしまったけれど
泪が今にも零れそうなのに
君はいつもみたいに笑いながら泪を拭ってしまう
「大丈夫」僕はいらないと言われているような気がして
まぁどうせ、そんなことないよって君は笑うだろうから僕はいつもみたいに黙ってる
でもね、ほんとは、ちょっと寂しくて、悔しくて。
それに気付かないだなんて君は鈍感だな、と少し笑ってしまう
それでも君が愛しくて。いいかな、と思っちゃうんだ。
惚れた弱みだなんてよく言ったもので、しかし僕は未だに愛だなんてよく解っていないのだと思う
ただ、離したくない、
ただ、一緒にいたいだけ。
君の笑顔が見たいだけ。
それが叶わなかったらどうなるんだろう、と心の隅で考える
怖くなって怖くなって。
今度は僕の泪が落ちそうになりました。
きっと救い手も掬い手もいないだろうから、自分の手で拭って心の奥底に仕舞っておこう。
雪は落ち続けます。
僕の泪も君の泪も奥底へ仕舞われます。
さようなら、なんて言えない臆病者だから、溶ける雪に言葉を溶かして全てを都合よくまとめてしまう
今はもう何も考えないで
その雪が溶けて春になったら
きっと暖かな気持ちになれる、でしょう
By天ちゃん&くー
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