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そして、最大にして最後の目的地の大原美術館にたどり着く。
本当なら、ここに最初に来たかったのだけど。後のことを考えず、ゆっくりと時間を使いたかったから、一番最後に来ることに決めていた。
大原美術館は日本初の私立の西洋美術館で、エル・グレコの『受胎告知』が所蔵されていることでも有名だ。
美観地区の中にあっても一切目劣りすることのない重厚な建物は、ギリシャの神殿を思わせる。
古い日本の街並みの中にある西洋式の建物。言葉だけ聞くとミスマッチのようなのに不思議なくらい馴染んでいるから面白い。
ここは以前椿に、美術館が好きなら絶対行ったほうがいいと教わっていた。
確かに彼女が勧めるのも頷ける。
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