Alegria

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「どうぞー! あがって」 「……なんというか、エコらしいというか」  エコは散らばった雑誌を縦に積み上げて寄せると、にこにこしながら俺にその場所を勧めた。 「課題いつまで?」 「あした。ぜんぜんおわらない」 「だろーね。こんなにごちゃごちゃだと欲しい資料も見つからないでしょ」 「そうそう。エコもねー、そう思ってたー」 「……とにかく直ぐ始めるか」  俺はスクラップの山の前に座った。  素材とカラーのコーディネートに関するレポートを作っているらしく、テーブルの上にはファッション誌の切抜きと、街で撮ったファッションスナップが山積みになっていた。  分類は……されているようには見えない。  とりあえず、仕分けを手伝うことにした。  エコは俺の向かい側で、教科書を片手にノートと向き合っていた。 「ねー、ショウ。ミックステクスチャーの同系ショクの服、あったらちょうだい」 「はいはい」 「……あと3個いる」 「いや、そもそも3個もない気がする。俺ちょっと雑誌から探してみるわ」
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