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「だめだめ! 汚くてショウが病気になっちゃう!」
「いや、なんないでしょ。まぁ、嫌だっていうんなら帰るけど」
「……やじゃない! 泊まって、欲しいけど」
「どっちだよ」
エコは俯いて黙り込んだ。
珍しく、何か言い辛そうにしているエコを見て、ピンときた。
ああ、そうか。
俺がこの間あんなことしたから、何かされるかもしれないってビビってるのかも。
……でも、そんなこと俺に直接言えるわけもないし。
俺は上着を持って立ち上がった。
「やっぱ俺帰るわ」
「え、ショウ?」
エコは俺の腕をがしっと掴んだ。
「ごめん。俺が泊まるとか、ふつーに気持ち悪いよね。こないだあんなこと言っといて」
「なんで? ショウはきもち悪くない」
「いや、逆の立場だったら何かされるかもって俺もちょっと考えるし。エコも今思ったでしょ?」
「思ってない! ほんとにそんなこと思ってないの、エコはへーきだよ、ショウ?」
「いーよ気遣わなくて。俺も自分でわかってるから」
「じゃあショウ、エコのして」
エコは俺の両肩をしっかりと掴んで真剣な表情で言った。
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