Alegria

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 ……日常会話に支障がないとは言っても外国人だから、ときどきエコはこっちがびっくりするような間違いをする。 「えーと」    言葉の意味を解読しようとしていると、エコは間違ってないと主張するように首を横に振ってベルトを外した。 「ショウ、して」 「ちょ……、まて。なんでそーなる」 「エコは、ショウのこときもち悪いなんて思ってないし、されたってへーき」 「いや、そういう問題じゃないだろ」 「エコ全然きにしないよ? やじゃないよ。ショウは……、エコにとって大事なひとだから」 「でも……エコ、泣きそうじゃん」  友達として大事に思ってくれていることを嬉しく思う反面、俺の普段していることは、エコがこんな顔するほど抵抗を感じさせることなんだって思った。  別に、俺のしていることを誰かに肯定して欲しいわけじゃない。  だけどやっぱりちょっとだけ、ショックだった。  俺は、頭ひとつ分背の高いエコのふわふわの髪を撫でた。 「ありがとね、エコ」 「ショウわかってない。……エコの言葉、変?」 「もうわかったって」 「じゃあ泊まってくれる?」 「……うん」
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