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「ピンポーン。寒いの嫌いなショウもびっくり。キレイだよ、……きっと好きになるよ」
「間に合うかな、時間」
「んー、たぶんギリギリ。ショウ、一緒にいこうよ」
エコはテーブルに半身乗り出した。
「でも、……バイトのあとに会うとか、汚ねえとか気持ち悪いって思わないの?」
「それエコ前も言ったよ? そんなふうに思ったことない。なんなら今ここでーー」
「ちょ、何言って……!」
「じゃあショウ、新宿で待ち合わせね」
エコはにこっと微笑んだ。
結局、俺は半ば強制的に約束させられていた。
12月25日。
イベント日の仕事は決まって忙しい。独り者がとにかく予定を入れたがるせいかもしれない。
スマートフォンは、頻繁に送られてくるエコからの写真つきメッセージでいっぱいだ。
俺は客の合間を縫って、送られてくるメッセージを楽しんだ。
その日最後の客を見送って、エコに会う前にシャワーでも浴びようと思った時。
鍵を掛けてあったはずのドアがギイッという音を立てて開いた。俺は驚いて振り返った。
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