Alegria

21/40
前へ
/43ページ
次へ
「今はいないな」  俺と全く同じ答えを返して、京谷さんはにこりと笑った。 「これ、クリスマスプレゼント」 「え、俺に? ……ありがとうございます」  驚きながら厚みのある封筒を受け取ると、京谷さんは口元に不敵な笑みを浮かべた。 「ちょうど疲れも溜まってたし、お願いしようと思うんだけど」 「え、今からですか」 「予定、ないんだろ?」  『クリスマスプレゼント』なんて貰ったら、もう断るに断れない。 「ショウ、随分人気があるから、どんな仕事ぶりなのかなってずっと気になっててね。いい機会だから」  柱時計の時間は20時。  シャワーを浴びる時間はないけど、約束の時間には余裕で間に合う。  それに、久しぶりに話もしたかった。 「はい、やらせてください」  俺は京谷さんをマッサージ用の個室へと案内した。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加