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「ああ、やっぱり上手いね」
「良かった、実はちょっと緊張してて」
「……マッサージは自分で研究してるの?」
「いえ、DVD見たりとか……そのぐらいですね」
「へえ。それでもこんなに気持ちいいのか。……これなら、マッサージ料金もうちょっと高くてもいいかな」
「まだ競合も少ないですし、もう少し上乗せしてもお客様は来ると思います。リピートも多いんで」
「なるほど、参考になるよ」
京谷さんはマッサージされながらも、頭ではビジネスのことを考えていた。
こういったグレーゾーンの商売だけじゃなくて、飲食店やネイルサロン、色々なビジネスを手がけてその全てを成功させている。
……俺の憧れだった。
「やっぱり、お客さんから要求される?」
「何をです?」
「性欲のはけ口としてのマッサージを、さ。ほら、うち値段安いからお客さんもゲイだけじゃないとは思うけどさ」
「うーん」
なんて答えるべきか悩んでいると、京谷さんはうつ伏せのまま首を俺に向けた。
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