Alegria

23/40
前へ
/43ページ
次へ
「うちは働いてる子がショウみたいにストレートの子も多いから、ちょっと心配でね。どのくらいの割合か気になっててね」 「俺の感覚だと大体8割くらいです。でも、他の人は知りません」 「大丈夫? きつくない?」 「……意外と大丈夫でした。それはそれっていうか。割り切っちゃえば特に抵抗がないというか」 「ふーん……。ちゃんとチップたくさんもらうんだよ?」  京谷さんは気持ち良さそうに目を閉じた。 「実は今度、他の場所にもまた店を出そうかと思ってて。ショウは大学生だけど、店長をお願いしたいんだ」 「え、本当ですか」 「ああ。給料は倍出すよ」 「倍、ですか」 「それはそうと、誰か働きそうな子知らないかな。できればちょっとルックス良い子でさ」  すぐにエコのことを思い出したけど、同時にあの夜も思い出した。  ……無理、だよな。   「ちょっと、思い当たらないです」  完全にビジネスの話をしていたから、京谷さんは平静なんだとずっと思ってた。  だから仰向けにした時、京谷さんの体に起きていた変化を見て、俺は思わず目を丸くして驚いてしまった。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加