Alegria

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「あー、これは……物理的刺激による生理現象だ」  お客さんのを見ても何とも思わないけど、やっぱり京谷さんのを見て何も思わないのは難しい。  意識しないようにしようと思うほど、俺の頬は熱くなった。  それでも、仕事は仕事。出来るだけ何も考えないようにしながらアロマオイルを身体に垂らす。  いつも俺は、顧客それぞれに合わせたマッサージをする。  身体に触れながら反応を見て、焦らすように性感帯に指を滑らせる。  そうしてしばらくし、生殺しのままマッサージを終わらせようと手を止めかけた時。京谷さんの手が俺の腰に触れた。 「ショウ、……サービスしてほしいって言ったら、どうする?」 「もちろんしますよ」 「チップははずむよ」 「……もう、これ以上はもらえません。だからこれは、本当にサービスです」  俺は熱い息をこぼしながら根をあげた京谷さんを手のひらで優しく包みこんだ。
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