Alegria

29/40
前へ
/43ページ
次へ
 それから、エコと会えなくなった。  毎週決まった時間に約束してるファーストフードにも来ない。電話はいつも圏外で、Eメールにも返事はこなかった。  意を決して訪れたアパートのポストには、郵便物が山のように溜まってる。  もうすぐ正月だし、帰省しているのかもしれない。    クリスマスの日にたくさん送られてきた写真を見ながら、俺は後悔した。  何をしてもエコは怒らない。だから、どこか甘えていたのかもしれないって。  それに最後の「好き」の意味はわからないし。  それってどういう好き?  友達? それとも――  インターネットでフライトを調べる。  明日発。乗継便でちょうどフライトの空きがある。成田からシカゴ。シカゴで乗り継いでプエルトリコ。  航空券だけでも総額……30万ちょっと。  ……でも、今いかなきゃきっともう駄目になる。  俺は京谷さんに電話をした。 『ショウ、どうした?』 「……しばらく、休みが欲しいんです」
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加