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俺の在籍する、伏せ字にならないKO大学文学部では、1年次に取れるだけ科目を履修してしまえば2年次からは時間にかなり余裕が作れるカリキュラムだ。
大学の講義が終わった後。
俺はエコと会っていないほとんどの日を、アルバイトに費やしている。
駅で会った時ガチガチに緊張していた男の表情は、今は穏やかだった。
俺はうつ伏せに寝そべった男の背中に、手のひらを沿わせた。
「最近出張続きで仕事が全然片付かないんだよね」
「へえ? 出張に行ってる間って、通常業務を他の人が引き継いでくれたりしないんですか?」
「……しないねえ。結局戻ってきてから残業続きになるんだよね。それで時々こうやってリラックスしたくなるんだ」
「ふうん、そうなんですか」
アルバイト先は、アロママッサージ店。
マッサージって言っても、アロマオイルを垂らして手のひらで優しく擦るだけ。
……DVDでやり方を見たくらいで俺は殆ど素人だけど、評判は上々だ。
「気持ちいいよ、本当にリラックスできる。……個室っていうのがまたいいね」
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