第1章

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 だから、 最後の一押しさ。 「そうだ。 お姉さん、 せーめーほけんっていうのに入ってる? このあいだ、 お父さまが夜中にひとりでぶつぶつ言ってたんだ。 『加入一年未満の自殺じゃ保険金は下りないから、 何かほかに手はないか』……とか、 なんとかって。 せーめーほけんっていうのに入ると、 手がいっぱい生えてくるの? 宇宙人みたいだね。 だったらぼくも入りたいな!」  そしたら、 いーいタイミングでインターホンが鳴ったんだよ! 「あ、 誰か来た。 保険屋さんかな?」 「ご、 ごめんなさい、 悠理くん! わたし、 用事を思い出したの。 お父さまによろしくねッ!!」
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