第1章

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「バッカじゃねーの!? 朝から晩まで仕事シゴトで、 月の半分は会社に泊まり込んでるお父さまが、 どーやったら十人も恋人作れるっていうんだよ。 ちょっと考えりゃ、 わかることじゃん!」  二十人はまとめて食事ができそうなばかっ広いダイニングルームで、 たったひとり、 テーブルについている少年は言った。 「じょーだんじゃないね。 あんなバカ女、 絶対この家に入れてやるもんか!」 「そうやって今までに何人、 お父さまの再婚相手を追い出してしまわれたんですか?」  炊きたての豆ご飯を茶碗によそいながら、 美晴(みはる)は苦笑した。
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