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「…ここか。大学まで徒歩20分てとこかな。」
例の不動産屋に、兄貴が行方不明です、と言ったら簡単にここの住所を教えてくれた。
「え?弟さん、なの?君が?」
誰しもそう思うわな。
悠は戸籍上は俺の兄貴になるわけだ。
…嫌すぎる。
「おい、悠!いるかあ?」
ドアを叩くと、中から鍵を開ける音が聞こえた。
ドキドキする…息が、出来ないくらいに。
「君さ、インターホンて知ってる?」
部屋の暗がりの中から、聞き慣れた声が聞こえた。
俺は声の主の腕を掴むと、そのまま床に押し倒した。
「ちょっ…何、いきなり!?」
知るかよ。…俺が、こうしたいんだ。
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