第7話 俺たちの間に秘密はない

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「…ここか。大学まで徒歩20分てとこかな。」 例の不動産屋に、兄貴が行方不明です、と言ったら簡単にここの住所を教えてくれた。 「え?弟さん、なの?君が?」 誰しもそう思うわな。 悠は戸籍上は俺の兄貴になるわけだ。 …嫌すぎる。 「おい、悠!いるかあ?」 ドアを叩くと、中から鍵を開ける音が聞こえた。 ドキドキする…息が、出来ないくらいに。 「君さ、インターホンて知ってる?」 部屋の暗がりの中から、聞き慣れた声が聞こえた。 俺は声の主の腕を掴むと、そのまま床に押し倒した。 「ちょっ…何、いきなり!?」 知るかよ。…俺が、こうしたいんだ。
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