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「…先生。俺、やっぱスタジオに残ります。何かあったら飛んでいきますので、連絡して下さい。」
先生は組んでいた脚を戻すと、ニッコリ微笑んだ。
「私も、君がここにいてくれた方が安心ですよ。後の事は任せました。」
「先生、すいません。ありがとうございます…。」
俺は思いきり頭を下げた。
「はは…。迷いがとけたのかい?近頃、君はこちらが心配になるくらい険しい顔をしてたね。」
周りにはバレバレってわけかよ。ダメだな、俺。
「ちょっと、出てきます。」
洗面所で顔を洗い、俺は鏡に映る自分の顔を見た。
笑おうとしても笑えない。
やっぱ、あいつがいないとダメだわ…。
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