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「んんっ…下手くそ!!」
唇を押し付けると、悠が呻く。…悪かったよ、下手くそで。
「はあっ…由樹那、君はまったく…、」
悠が唇を拭いながら、フッと笑った。
「悠はどうか知らねーけどな。俺はこの数日間、苦しくて心臓が破けそうだったんだよ!!」
「僕だって、そうだよ。」
悠は、俺の顔を撫でた。
「逢いたかった…忘れるなんて、絶対に無理だったんだ。」
悠の唇が触れる。
俺は奴の細い身体を抱き締め、なすがままに。
「…待て。」
「何?」
「なぜ俺が、抱かれるようなカタチになってる?」
悠は、よく意味が分からない、という顔をした。
「だって、君。僕の、彼女でしょ?」
【了】
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