第1話 初恋は実らせる
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兄貴が嫁を連れてきた。 陽炎(かげろう)が揺らめく、夏の暑い昼下がりだった。 俺は愛車のバイクにホースで水をかけながら、タイヤにこびりついた泥を洗っていた。 「由樹那(ゆきな)、出掛けるのか?」 兄貴は俺を見て微笑んだ。幸せそうな笑み。 このくそ暑い中、二人は寄り添うように笑いながら縁側に腰掛ける。
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