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「ご注文がお決まりになりましたら・・・あれ?」
ウエイターの人が、私の持っていたチラシに気づいたらしい。
「もしかして、バイトの?」
「え、あ、あの」
とりあえず今日は見学。そのつもりで来たんだ。
チラシなんか持ってこなきゃよかったと今更ながら後悔する。
「西山ー。この子、バイト募集の見てくれたみたいだぜー」
ウエイターの人がカウンターにいた男の人に呼びかけた。
「あっ、今日履歴書とか持ってないんで・・・」
「そうなの?」
今日はそのつもりじゃないと伝える前にカウンターにいた人が来た。
「春。お前な、お客さんの前ではオーナーって呼べよ」
え?こんな若い人が、オーナー!?
「いいじゃんそんなの。
ってか、今日履歴書持ってないんだって」
「そうでしたか。
でもここに興味持ってくれたんですね」
「・・・ええ、まぁ」
それは確かな事だけど。
「じゃあ履歴書なくても大丈夫ですよ。・・・さっそく、面接しますか?」
「え!?あの、その・・・」
「いくらなんでも急かしすぎじゃない?」
春と呼ばれたウエイターの人が笑う。
そうだよ、履歴書ないって言っているのに。
「では、店の雰囲気をじっくり味わっていただいて、それから面接しませんか?」
オーナーさんがにっこり笑って言う。いや、だから履歴書ないし…。
なぜそんなに面接したいんだろう…。
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