プロローグ

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「別に今日でなくてもいいじゃん?」 「でもせっかく興味持ってくれたんだったら今やらないと。後日にしたばっかりに興味なくされていたら大いに困るんだけどな」 「お前必死だな」 あきれてウエイターの人が笑う。 「人足りないって、この広さでウエイター一人じゃ無理だって言ったのお前だろ」 「まぁそうだけどさ・・・。でもホントにやばい時は森井さんがたまに手伝ってくれるし」 「森井さんキッチンだから、あくまでたまにしかホールには出られない。 だからバイト募集しようって・・・」 私をおいて、いつの間にか二人の口論になってる・・・。 私は、どうしたらいいかな。 でも今日はホント、様子見で来ただけだったんだけどなぁ。 でもチラシ持ってきちゃった私も悪いよね。そりゃバイトやってくれるだろうって思うよね。 でも、こんなに必死に人ほしがっていてこんなに結構いい男の人たちがいるのに バイトの面接に来る女の人が他に全然いなさそうなのが気になる。 私は友達が言っていた、『怪しい謎』をまだ見ていない。 そうだ、今私がすべきなのは、謎があると噂のある、その理由を確かめることなんだ。 「あのー…」 「はい」 オーナーさんが返事をする。 「とりあえずなにか頼んでいいですか? その後、店の様子とか見学させてもらいたいんですけど」「・・・あぁそう・・・そうですね。 店のこと知ってもらわないといけませんからね。 じゃあ、用済ませたら案内しますよ。春」 「はい。じゃあ、ご注文は?」 「カフェオレと、チーズケーキで」 「かしこまりました」 春と呼ばれたその人はまたお客さんに接する態度に変わり、私に軽くお辞儀してその場を去った。 ため息をついて、またボーっと店を眺める。 気づいたらオーナーさんはカウンターにいなかった。 奥の別の部屋に行ったらしい。 とりあえずちょっとお茶して様子見よう。まずは観察だ。 何が怪しいのかわかったら、逃げちゃえばいいもんね。 またあたりをグルッと見渡してみた。
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