第1章

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鋭く尖った太いクチバシに、 翼を広げれば3メートルを越えるであろう大型の鳥獣類だ。 対する少年はというと、身長140センチ。見た目の年齢は10才くらいで、まだあどけなさ残るワンパク少年だ。 両者の接触距離は5メートル、 鳥が首を伸ばせば届きうる距離だが、その場から動かず、 ヨダレを垂らし、鋭い眼光で少年をじっと見据えている。 この状況を見れば、少年は呆気なく補食され、 弱き人間達は 無惨な弱肉強食の光景を、只見守ることしか出来ないだろう。 …だが 少年は笑っていた。 この状況を喜んでいるかのように。
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