第2章 白百合の君

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だけど僕もまた 動けないままでいた。 今僕が身を挺して彼を助けに入れば かけられる言葉はただひとつ。 『――神父の子がえらそうに』 分かっていたから 呪縛にかかったみたいに怖くて動けなかった。 正しい道を選ぶにはまだ 僕の心は弱すぎた。
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