第2章 白百合の君
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カップの割れる音。 「やめて……ください……」 蚊の泣くようなか細い声で 僕はふと我に返った。 見ればすっかり常軌を逸した寮長の早乙女が 一際小柄な少年にキスしようと その腕に取り込んだところだった。 「おい、どうするんだよ!」 「コールドンのアンティークだぞ!」
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