24 計略-3

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それは、 しびれたような、少し、感覚が鈍くなったような、不快感だ。 例えるなら、眠りに落ちる間際の倦怠感に、似ている。 刻一刻と、強くなっていくその感覚とともに、心が絶望の色に染まっていく。 「この薬に使っているカプセルは、谷田部製薬で開発中の新製法でね。唾液で溶けずに胃液で瞬時に溶解する。だから、飲んですぐに薬効が現れる、優れものなんだ」 耳元に落とされる声が、遠く近くに、こだまする。 立っていられずに、膝が、ガクリと下に落ちてしまう。 「……と、もう、効いてきたのか。空きっ腹にワインの相乗効果か。あまり効きすぎると、つまらないんだが。仕方がないな」 私を抱きかかえながら、 蛇が、勝ち誇ったように、ほくそ笑んでいる。 押し退けようとする両腕に、力が入らない。 ――ああ、ダメだ。 これ以上、抗えない。 震えるまぶたが、静かに下りていく、 まさに、その時だった。 ――ブルル、ブルルと、 低い、携帯の着信を知らせる振動音が、どこかで聞こえた。 否、振動を感じた。
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