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ゆらゆらと、体が揺さぶられ、
触れるか、触れないか、
耳元ギリギリに寄せられた唇から、クスクスと、愉快気な笑い声が漏れおちた。
「君の会社の玄関フロアで、見ていた野次馬女子社員たち。このホテルの受付。ああ、それと、フロントで君とぶつかった老人。全員が、証言してくれるだろう」
熱を帯びた息がかかるおぞましさに、思わず、ギュッと目をつぶる。
「君が、自分の意志で、ここに来たことをね」
――やられた。
この男、
最初から、『このつもり』で、行動してたんだ。
それを、予想すらできなかった、私が間抜けなんだ。
どんなに後悔しても、後悔は先に立たず、
蛇に睨まれたカエルの運命は、もはや、風前の灯。
だけど、
最後まで、あきらめるものか。
ここで、あきらめたら、それこそ、私の女がすたる。
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