24 計略-3

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「言っておきますが、何をしても、私はあなたの思い通りには動きませんから」 「別に、かまわないさ。君が動かずとも、あいつが動くだろうから」 「な……?」 「惚れた女が辱めを受けたなどと、あいつには、死んでも、絶対公表できまい。恐らく、どんな条件でものむはずだ」 ――そんな、バカなこと、 あるわけない。 私は、ただ、あの人のために何かしたくて。 少しでもいいから、力になりたくて。 なのに。 「例えば、谷田部の後継者の座から、自ら退く――とかね」 ――ああ……。 自分の推理の正しさを知ったところで、喜びなど、欠片も湧くわけもなく。 こみ上げる、悔しさと不甲斐無さで、涙がにじんだ。 でも、泣くものか。 絶対、泣いたりしない。
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