24 計略-3

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――隙を見て、逃げてやる。 あの人の、足かせにだけは、なりたくない。 力で敵わないなら、知恵を回せ、梓。 ギリギリのところで自分を叱咤して、私は、全身の力を抜いた。 それこそ、頭の天辺から足の先まで。 ガクリ、と、膝が下に落ちる。 「おおっと、危ない」 そのまま、私を放り出すなり、諸共倒れるなりしてくれればいいものを。 「ケガなどされたら、こちらに不利だからね。気を付けてくれよ」 クスクスクスと、 私の魂胆など、見透かしたように笑いながら、期待に反して、敵は、私を抱き込んで、軽々と抱え上げた。 いわゆる、『姫だっこ』状態だ。 完全に、墓穴を掘った。 これでは、向うずねを、蹴飛ばすこともできやしない。 でも、その代わり、利き手の右腕がフリーになった。 チャンス、到来。 すかさず、へばりついていた体を押し退け、引きはがしにかかる。 「くっ……うっ」
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