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「あっ!?」
っと言う間に、メガネを外されて、ど近眼の私は、視界がぼやける。
これでは、反撃するにも、逃げるにも不利だ。
――ひっ、
卑怯者っ!
メガネまで取ることないじゃないっ!
「言っておくが、このフロアには、二部屋のぺントハウスしかないから、一般客は出入りしない。その上、お向いさんは、あいにく今日は留守でね」
くっくっと、男は、喉の奥で勝ち誇ったように笑う。
「そもそも、防音対策は万全だから、部屋の外には音漏れはしない設計だ。それでもかまわないなら、思うぞんぶん、叫んでみるといい」
「!?」
ぬるりと、
喉元に、湿気を含んだ生温かいモノが這う感触が走り、
思わずのけ反った。
「やめ……っ」
続けて同じ場所に、湿った熱と、チクリと刺すような痛みが走る。
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