24 計略-3

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――このっ! 抑え込まれていた右手をどうにか引き抜き、力任せに相手めがけて振りきった。 バシン―― 「っ……!?」 上がる、胸のすくような打撃音と、小さなうめき声。 視界がぼやけているから、確認はできないけど、たぶん、横っツラに当たったはず。 手のひらに、何かを叩く感触と、 ほぼ同時に、金属が引っかかったような感触があった。 もしかしたら、メガネも、はじき飛ばしたかもしれない。 「ちっ……」 低い舌打ちとともに、身体の拘束が、わずかに緩んだ。 この瞬間を、見逃さない。 両腕に全霊の力を込めて、押し退ける。 広がった空間を更に広げようと、膝をバタバタど蹴り上げたその瞬間、 「うっ……」 っと、いう、うめき声とともに、敵の動きが止まった。
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