24 計略-3

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――やった! これで、逃げられる! と、喜び勇んでメガネをかけたのも、つかの間、 目の前には、仁王様のごとく、全身から怒りのオーラをほとばしらせ、文字通り仁王立ちしている、敵の姿。 その左頬には、くっきりと私の付けた、赤い手形が浮かび上がっている。 「大人しい顔をして、とんだジャジャ馬だな」 ――完璧に、怒らせた。 さっきまで浮かべていた、余裕の笑みが消えて、むき出しの怒気が向けられてくる。 さすがに、怖い。 じりっ、じりっと、思わず後退った。 玄関まで、猛ダッシュしても、悲しいかなコンパスの差が大きいから、かなり分が悪い。 でも、それ以外に、選択肢は見つからない。 賭けてみるしかない。 行けっ!
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