15人が本棚に入れています
本棚に追加
向かい合う形で横になり、互いの目を見つめる。
瞳の奥に見える確かな熱に、無機質なレンズは邪魔で、俺は躊躇なくそれを取り去った。
そこで見えた彼の瞳はやはり大きく茶色くて、本物のアーモンドみたいだと頭の片隅でこっそり思った時。
その瞳にゆらり、膜がはった。
それはどんどん厚くなって、涙としてその頬を濡らした。
「ふっ、ん、......くっふ、っ」
こちらが驚くひまもなく次々と溢れてくるその涙は、頬を伝いこめかみを流れて、俺の手の甲へと落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!