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なんとなく頬が熱い。
原因は、わかっているけれど。
俺が羞恥心のせいで素直な気持ちを言えないことも、感情を表に出すのが下手で無口になってしまうことも。
たった一年前に出会った彼は、きっと全てを知っている。
すべてを分かった上で、大丈夫と優しく綺麗に笑うから、俺はいつまでもこの恋人に甘えてしまうのだ。
酷く心地がいい彼のもとに。
「んー、また黙り?」
「あっ......いや。」
「まぁ、いいけど。」
「......ぇ。」
小さく声が漏れた。
普段の彼とは違うあっさりした態度に、久しく感じていなかった嫌な焦りが、徐々に自身の心を占めていく。
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