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「そういうことで、僕三日くらい帰ってこないから。僕がいなくて寂しいと思うけど、電話もするし。」
「............。」
「あっ。今日の夕飯はもう作ってあるから、冷蔵庫覗いてみて。ラップかけて、上のだんに......て、おわっ!」
口を動かし言葉の羅列をつくる彼を、たまらず捕まえる。
「え、ちょっ。なに、奏くん? なに、ほんと。どうしたわけ?」
珍しく戸惑う彼を腕のなか一杯に閉じ込め、あふれでそうな気持ちを吐き出す。
ーー寂しい。
「っ」
それを言葉にした瞬間、彼が息をのんだ気配がした。
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