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∞∞∞
「でもなあ」
独房呼ばわりされてしまった部屋を見渡す。
「これはこれで気に入ってんだよなぁ」
とは言いつつも仕事が来なくなったら姉のヒモになってしまう。
結構愛着が湧いているしあんまりこれ以上改造したくない。
さあ。文句ばかり抜かしてないで「桃の妖精らしい、しゃららん☆でキューティかつフルーティ」な部屋作りをしなければ。
しかし今までホームビデオなんて撮る機会もなく、そんな風にかわいい部屋を作る方法も知らない。
つまりかわいい部屋を作る手段が最終手段を除いては1つもないということだ。
それはすなわち家具を買いに行かなくてはならないということ。
とっても行きたくないのだがこれだけはどうしようもない。
「自分を隠して繕って…こんなことしてまでアイドルを続ける意味が、いったいどこにあるの?」
誰が答えるわけでもないこの疑問をぼやきながら仕方なく街へと向かうのだった。
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