第2章

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 ー001ー  時計の針が、11時を指していた。  私は”貴族奴隷”だけど、時計くらいは読める。    主の屋敷に突入した後、宿に戻ってきた。    帰り道、貴族たちはとても賑やかだった。  主のスピーチがある前よりも、貴族たちは浮かれていた。    どうしてだろう。  貴族が浮かれている時は、決まってよくないことが起きる。  後1時間で貧困区がなくなるかもしれない。  彼から教えてくれた。  ”世界組織”のこと、”陸軍”のこと。そして。  ロメオという人のこと。  私の知らない世界のことばかり。  私の知らない彼のこと。    嬉しいような、悲しいような。  よくわからに気持ちになった。    でも、彼はこれから行動を起こす。  貧困区に住む住人を救うために。    ”貴族”は自分よりも身分が低い人間を嫌い、上の人間に頭を下げる。  なにより、同じ身分の出世を妬む。 
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