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ー001ー
時計の針が、11時を指していた。
私は”貴族奴隷”だけど、時計くらいは読める。
主の屋敷に突入した後、宿に戻ってきた。
帰り道、貴族たちはとても賑やかだった。
主のスピーチがある前よりも、貴族たちは浮かれていた。
どうしてだろう。
貴族が浮かれている時は、決まってよくないことが起きる。
後1時間で貧困区がなくなるかもしれない。
彼から教えてくれた。
”世界組織”のこと、”陸軍”のこと。そして。
ロメオという人のこと。
私の知らない世界のことばかり。
私の知らない彼のこと。
嬉しいような、悲しいような。
よくわからに気持ちになった。
でも、彼はこれから行動を起こす。
貧困区に住む住人を救うために。
”貴族”は自分よりも身分が低い人間を嫌い、上の人間に頭を下げる。
なにより、同じ身分の出世を妬む。
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