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「なっ何もされてない!心配して来てくれて、一緒にお茶飲んだだけだよ!」
この恐ろしいリュウを落ち着けなければ…!!と、慌てて言うけど。
「じゃあなんで、そんな顔すんだ。」
ギロリと凄まれて、なにも言えなくなってしまった。
グツグツ‥
シチューの煮立つ音が、2人の間に響きわたる。
「なんで何も、言わねぇんだよ‥。」
「…‥ 」
「なんで、泣いてんだよ…。」
「…リュ」
「もっと、俺を頼れよ…。」
いつの間にか、後ろから包み込むように抱きしめられていた。
苦しそうな、
辛そうなリュウの声や表情に、
胸の奥がぎゅうっと締め付けられた。
「 リュウ‥ 」
めちゃくちゃ心配してくれてるって、痛い程伝わってくる。
申し訳ないって、すごい思う。
でも…
いつまでも、頼ってばかりの自分は嫌だから。
今回の事なんて、尚更リュウには言えない。
優しいリュウはきっと、自分を責めてしまうだろうから。
(もっと強く、ならなくちゃ… )
お腹に回された腕に、そっと手を添えた。
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