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「リュウこそ、大丈夫…?」
火を止めて、ゆらゆら上がる湯気を見ながら、
「最近ずっと、疲れた顔してる… 」
ずっと、気になっていた事を口にする。
「いろいろ大変だって、見たり聞いたりして‥ 俺だって、力になりたいんだ…」
そう言うと、俺を包み込む腕に力がこもった気がした。
「俺も、頼って欲しい…」
「 …んだよそれ。 ‥俺、今、怒ってたんだけど。」
「 うん‥ 」
「 んな事言われたらもう、怒れないだろーが‥。」
言いながら大きく息を吐くと、
「 ‥ありがとな。 」
耳元に嬉しそうな声が響いて、
ようやく解放された。
「はぁ… わかったよ。何があったかはもう聞かねぇ。でも、一個だけ約束して。」
その言葉に振り返ると、真剣な眼差しで俺を見るリュウがいて‥
「な、なに… 」
ちょっと怯みながら尋ねた。
「頼むから、知らない所で泣くな。1人で抱え込むなよ…。」
それは真っ直ぐに、俺の心に響いた。
あぁ‥
俺ってなんて幸せ者なんだろう…。
確か前にも、三神先輩に似たような事を言われた。
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