梅雨

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(横腹、痛いなぁ…) (あと、何分だろ…) 「はぁっ… はぁっ…」 だんだん勢いのなくなってきた足で、なんとか走り続け、ようやく終了のホイッスルが聞こえた。 ピピィーー (お、終わったぁぁ~!) 邪魔にならないところにドサッと座り込み、胸いっぱいに酸素を吸い込む。 (きつかった……) 「…ハル、大丈夫?」 やってきたケイ君にそう聞かれたけど、まだ息が整わず答えられない俺は、コクコクと首を縦に振った。 それを見てクスッと笑ったケイ君は、隣に座って柔軟し始める。 俺も少し落ち着いてきたので、同じく柔軟を始めた。 「…ハル、頑張ってたな。」 膝を伸ばしながらケイ君が言った。 「いやいやっ!もう、いっぱいいっぱいだよ… 早い人には何周も抜かれたし…」 ただただ、しんどかったです… 途中から横腹も痛くなったし… 本当に、過酷なスポーツだ。 「…でも、ペース乱れてなかったし。すごい、頑張ってた。」 必死に走ってたのを見られてたなんて、恥ずかしい…
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