梅雨

6/17
前へ
/397ページ
次へ
しかも、そんな周りを見てる余裕があっただなんて。 それこそ、すごいのはケイ君の方だと思う。 「…苦手な事にも一生懸命で、えらいな。」 そう言って、優しい笑顔でよしよしと俺の頭を撫でてくれた。 俺って、変に真面目なんだよね… 手の抜き方を知らないって言うのもあるけど。 (でも、褒められた…!) 思わず顔が緩む。 それから2人で柔軟していると、陽介君と内海君もやって来た。 「2人とも、こっちにいたのか。」 「持久走疲れたな。」 合流して4人でわいわい体操していると、ぽつぽつと降り出した雨。 火照った身体には調度良いやと気にしていなかったが、徐々に雨足が強まってきた。 「これは、そろそろ限界だな。」 「…確かに。」 「そうだね… 屋根まで走る?」 「う、うんっ!」 急いでみんな、校舎へと駆け込む。 今日はなんだか走り通しだ。 雨のおかげで少し早めに授業は終わったけど、けっこう雨に打たれてしまった…。 体操服がはり付いて気持ち悪い。 (うぅ…早く着替えよ…) 教室へと戻るみんなに続いて歩く。 「うわー。けっこう冷たいね。」
/397ページ

最初のコメントを投稿しよう!

98人が本棚に入れています
本棚に追加