梅雨

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「ったく。降るなら授業始まる前に降ればいいものを…。」 毒づく内海君に、確かに…!! と心の中で激しく同意した。 「…ハ、ハル。」 呼ばれて顔を上げると、ケイ君が少し赤い顔でこっちを見ていた。 足を止めた俺達に気付いてこっちを見た2人も、なぜか顔を赤める。 「っえ!? ど、どしたの…??」 よく分からないけど、気づけば周りを歩いていた生徒たちにも見られている。 (ぇえっなんで!? こっ怖ッッ!!) 「…早く行こう。」 すると、3人は周りを囲うようにして、俺は教室へと足早に連行された。 教室に着くと、慌てた様子で陽介君が大きめのタオルを手渡してくれた。 部活用にと、多めに持っているそうだ。 拭くものがハンカチくらいしかなかったから有り難い! 「ありがとう!」 「いいよいいよっ!それより、早く着替えて!」 「そうだ。なんか、心臓に悪い。」 「…ハル、早く。」 「はっはいぃっっ!!」 そうして、やたら急かされて俺が着替えていたそばでは……
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