梅雨

8/17
前へ
/397ページ
次へ
3人はホッと息を吐いていた。 「晴、ヤバかったね…」 「あぁ。あの色気は半端じゃなかったな…。」 「…エロかった。」 「薄々は感じてたんだけど。晴ってさ、自覚、ないんだね…。」 「あぁ。周りの目にも気付いてないようだな。」 「「「…………」」」 残念なものを見る眼差しで、一生懸命に着替えている晴を見つめる。 そう… 先程の晴は、その場にいた生徒ほとんどが目を奪われるほどに、ヤバかったのだ。 雨に濡れてはり付いた体操服姿は、細い身体の線をくっきりと表し。 微妙に透けていて、それが肌の色白さと合わさって、息をのむ雰囲気を醸し出していて… 濡れた髪や、そこから滴る雫からも、色気が溢れていた。 しかし、当の本人は、面白いほどに全く気付いていない…。 ド天然で。 無自覚過ぎて危険で。 でも放っとけなくて。 そんな所も含めて、可愛い奴だな…と、3人は思っていたのだった。  ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 急いで着替え終えた俺は、濡れた体操服をビニールバックに詰め込んだ。 (タオルは、洗濯してから返そう!)
/397ページ

最初のコメントを投稿しよう!

98人が本棚に入れています
本棚に追加